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【TKO通信】~その派遣料金の値上げは妥当ですか?~

販売代行を検討中のクライアント企業様、そして現在販売代行にてご出店中で人材に関してご不安をお抱えのクライアント企業様へ。

販売代行企業の選び方は売上と同時にブランドや企業が地元に根付くかどうかを左右するため非常に重要です。

お陰様で毎回大変な好評を頂戴しておりますTKO通信ですが、前回【TKO通信】~コンプライアンスに強い会社はダメですか?~ではクライアント様から多くのお問い合わせを頂き、『相変わらず直球なので冷や冷やするけど本当に正論で、コンプライアンス担当としては本当にありがたい。』といったお声を人事の方から頂戴しました。弊社は一貫性を持ち、販売代行企業では無く、人材総合コンサルティング企業としてクライアント企業様の人材問題を総合的にサポートしてまいります。今回は4月から開始の同一労働同一賃金にかかる法改正で実際に現場で起きている問題を取り上げて【TKO通信】としてご紹介させて頂きます。Takeofferではお客様の具体的なお悩みにお答えし、その期待に応え、更には付加価値を創造する提案が出来るよう努めてまいります。

これまでの「経営・法令順守偏」に続きました 「販売ノウハウ偏」「代行における従業員のキャリアパス偏」「契約条件偏」、「研修制度編」、「インバウンド特別篇」TKO通信バックナンバーと併せて是非販売代行会社の選択にご参考下さいませ。

同一労働同一賃金を盾に不必要な値上げをする派遣会社が増えているようです

労働者派遣法改正により、令和2年4月(2020年4月)から派遣社員にも同一労働同一賃金が適用されます。今月から同法の運用を開始する中で、クライアント先から他の派遣会社の対応が"ひどい"という声を非常に多く聞いております。今回は、その中でも特に悪質と思われる『法改正を盾にした不必要な値上げ』について警鐘を鳴らしていきたいと思います。ブランドの人事担当者様や窓口になる機会の多い営業担当者様は是非ご覧くださいませ。

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労使協定方式を採用している派遣会社を前提に進めます

今回の派遣法改正について派遣元は「派遣先均等・均衡方式」か「労使協定方式」かのいずれかを選択しなければならないのですが、多くの派遣元は後者の「労使協定方式」を採用するだろうと言われています。それは「派遣先均等・均衡方式」が、派遣先の賃金水準に合わせる必要があり、派遣社員が派遣される会社が変わるたびに派遣先の賃金水準に合わせなければならないという手間がかかるほか、派遣先も「なるべく自社の賃金データは開示したくない」という事情などがあるからです。従って、本特集では、「労使協定方式」を採用している前提で進めてまいります。「労使協定方式」とは、過半数労働組合又は過半数代表者(過半数労働組合がない場合に限る)と派遣元事業主との間で一定の事項(①派遣労働者の範囲、②賃金の決定方法、③職務の内容、成果、等を公正に評価した賃金決定、④待遇の決定方法、⑤段階的・計画的な教育訓練の実施、⑥その他の事項)を定めた労使協定を書面で締結し、労使協定で定めた事項を遵守しているときは、教育訓練と福利厚生の待遇を除き、この労使協定に基づき待遇が決定されるというものです。

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「労使協定方式」における賃金の決定

この協定における賃金の決定については、「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上であるもの」と定められているため、派遣元が勝手に自社の基準で賃金を決めることは許されません。この一般的賃金については「賃金構造基本統計調査」と「職業安定業務統計」に基づく2種類の職種別賃金の一覧から使用するものを協定で選択・使用することになりますが、職種別だけでなく、「能力・経験調整指数」と「地域指数」も加味する必要があります。ちなみにこの一般的賃金は、基本給、手当、賞与、を時給単価で算出する他、通勤手当(定額支給の場合)や退職金についても加味しなければなりません。なお、退職金に関しては3パータンが提示されており、①いわゆる自社内での退職金制度によるもの②時給に上乗せするもの(退職金前払い制度)③中小企業退職金共済制度への加入、このいずれかを選択する必要があります。

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本題の値上げ問題に戻ります

さて、本題の値上げ問題に戻りますが、先ほどこの『労使協定方式』による賃金決定に「地域指数」を反映するということをお伝えしました。この地域指数は、派遣先事業所所在地により決まり、地域指数の事業所は、原則として雇用保険適用事業所となるため、東京本社の場合、地方販売スタッフでも何故か東京ベースの賃金を請求してくるケースが非常に多いようです。これが最大の問題ですがTakeofferでは明確にこれを解決していきます。

アパレルにおいて事業所は店舗単位で成立します

雇用保険未設置の就業場所であっても、雇用保険を適用することができる基準を満たす就業場所であれば、その場所の地域指数を選択することができます。2019年11月1日公表の労使協定方式に関するQ&A【第2集】によると、事務の簡便化のために本社のみを雇用保険適用事業所とし、支店や工場を適用事業所としていない場合であっても、支店や工場が次の条件を満たしている場合、その場所の地域指数を用いても差し支えないと考えられます。

地域指数の選択対象となる事業所の要件
・他の事業所等の場所から独立していること
・経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度独立していること
・一定期間継続し、施設としての持続性を有すること

なお、実際に弊社では地方アウトレットモール内の店舗で雇用保険を成立(適用事業所)させており、まさに事業所として認可されていることを証明しています。つまり本業界の施設において店舗が事業所になることを体現していると言えます。これにより、東京に事業所があったとしても実際に販売スタッフが就業しているエリアの地域指数で計算しなければいけないことが証明出来たと言えるでしょう。

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まとめ~不必要な値上げにはNOと言いましょう~

今回、地方の派遣会社から上記の理由で本社事業所(東京本社の場合は東京の地域指数)ベースの値上げを迫られたと相談にきたクライアントは少なくありません。少なくともアパレル・ブランド店舗に関してはその整合性を欠くことが立証されましたので、この事例を多くのお客様に知って頂きたいと存じます。同一労働同一賃金は働く販売スタッフ(従業員)の待遇を改善させることを目的としたものであり、派遣会社の利益を増やすためのものではありません。本調査でも東京ベースの地域指数を使った請求をしながら、対象となる肝心の販売スタッフの賃金は全く変わっていない等の悪質なケースも見られました。今後、派遣会社には明確なコンプライアンスが求められるべきですから、納得のいかない提案については明確に「NO」を。そして必要な場合は直ぐに都道府県労働局へ相談することをお勧めします。コロナウイルスの影響もあり、混乱している最中での、企業体力を奪いかねない悪質な値上げには断固として立ち向かうことが必要です。

ーお知らせ(現在の予約状況:北海道・沖縄地区を拡大しています!!)ー

北海道、沖縄エリアに特化していた弊社ですが四国、中国地方、北陸地方、名古屋地区、東京都内での販売代行運営を開始、今後は全国どこでもTakeofferクオリティでの運営が可能になりました。またお陰様で現在大変多くのクライアント様よりご依頼を頂いております。しかしながら弊社では双方にとってリスクの多いことから、無理受けすることを致しておりませんが、現在、強みを持っている北海道地区(レラ・MOP北広島・札幌市内の百貨店)で店舗が増え、沖縄地区でも県内最大商業施設である(サンエー浦添西海岸PARCO CITY)へ出店を成功させています。現在北海道および沖縄地区では常駐の担当がおり、スケールメリット確保による運営の受注が出来るケースが増えますので一度お気軽に担当までご相談下されば幸いです。
株式会社Takeofferはアパレルコンサルティング以外にも公認会計士・税理士等財務のスペシャリストがおりますので運営条件を根拠のある数字で明解にご提案しております。
今回の【TKO通信】は最近実際にあった問題を取りあげてお伝え致しました。このようにクライアント企業様には安心してご依頼頂くことが出来る、そして従業員の皆様には安心して就業出来る環境をTakeofferは用意しております。これからも少しずつお客様から頂戴しておりますお問合せや現地からの情報をご紹介させて頂きます。これからの少子高齢化に伴う主要人材確保が困難になる時代の中で確かに貢献すべくTakeofferは常に進んでまいります。
アウトレットモールや百貨店への販売代行でご出店をご検討もしくは出店中でお悩みをお抱えのクライアント様は是非お気軽にご相談下さいませ。

※現在コロナウイルスの影響により、休業している施設が多いため順次再開してからの案内になる場合がございます

● Auther
Takeoffer 販売代行エージェント

Takeoffer 販売代行エージェント

ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。その後独立しファッション業界専門の販売代行・労働者派遣事業・有料職業紹介事業を中心に提供中。業界を整えることをミッションとしています。

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