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【NEWS】ラルフローレン幹部らが語る

NEWS(ForbesJapan 6/2より)

ラルフローレン(RL)は5月17日、退任したステファン・ラーソン前最高経営責任者(CEO)に代わり、米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の幹部パトリス・ルーベを新CEOに迎えると発表した。売上高が前年比で10%減少するなど苦境に立たされるRLは、何とか業績好転を実現させなければならない。その中で誰もが疑問に思うのが、長年にわたって消費財の分野に携わってきたルーベの経験が、ファッション・ビジネスにどう役立つのかということだ。新CEOに求められることは何か、匿名を条件に取材に応じたRL幹部と関係者らに話を聞いた。

ラルフのビジョンを「今の」消費者に届ける

社内外の誰もが、ラルフ・ローレンという人を高く評価している。ブランドとしてのRLを偉大なものにしたのも、再び素晴らしいものにできるのも、彼のクリエイティブなビジョンだと考えらえている。だが、素晴らしいデザインだけではもはや十分ではない。ブランドは「今の」消費者たちとその顧客経験を考慮しなければならない。小売部門の幹部は、「わが社にとっては、これが問題点だ」と指摘する。「現在の消費者といかに関わるべきかを理解する必要がある。過去の関わり方とは、大きく異なっている」

ターゲット層の意見を聞く

同社はこれまで向き合ってきた顧客層だけに視点を向け続け、次の世代の消費者といかに関わるべきかを学んでこなかったという。「テクノロジーの重要性は今後、ますます高まっていくだろう。そして、あらゆるタッチポイントにおける顧客体験も同様だ」

「協調」の文化を創造する

ファッションのような創造的ものを扱う企業には、デザインやマーケティング、小売など社内の異なる部門間、あるいは社外との交流が必要だ。だが、RLの文化は必ずしも、そうした自由な交流を奨励してこなかった。前出とは別の幹部は、「偉大な企業は、顧客の声に加え、従業員たちの話にも耳を傾ける。(会社にとっての)答えは、その中から見つかるのだ」と話す。

デザイナーを育てる

風通しの悪い会社組織の中で、多くの従業員が型にはまった考え方を強いられていると感じている。それが原因となり、RLを前進させるために必要な非常にクリエイティブな人材の多くが流出している。別の関係者によれば、「新たなものを模索し、新しいデザインを市場に送り込みたい人にとって、RLはふさわしい場所ではない。非常に優れた多数の人材のが、わが社を離れていった」という。

迅速に行動する

ルーベは難題に立ち向かうことになる。ファッション・ビジネスがこの先2年後、あるいは5年、10年後にどのような進化を遂げているのかについて、明確な見通しを持つ者は誰一人いない。ルーべはその中で、先行きの見えない未来に向かう道を描くために、猛烈な勢いで進んでいかなければならないのだ。別のある幹部は、「小売業全般が激しい変化の中にあり、既存のブランドの多くが苦しんでいる」「RLが軌道からそれてしまったというわけではないが、業界はこれまでにない変化の中にある。この環境で、変化に対応するための効果的な方法を見つけようとすることは非常に難しい。消費者が変わり、変化し続けているからだ」と指摘している。

ファッション業界の複雑さや、クリエイティブに関するリソースをいかに管理するかについての経験がないルーベが十分なスピードを維持していくことができるのか、懐疑的な人もいる。関係者の一人は、「次のシーズン向けのファッションをデザインするのに必要なスキルは、シャンプーやボディーローションの新製品を開発するチームを管理するのに必要なスキルとは全く異なる」と話す。だが、ブランドに活気を与え、将来の成長を支えるために、RLとルーべはともに、新たな企業文化を築いていかなければならない。そして、その際に忘れてはならないのが、「協力、透明性、寛容さ、コミュニティーとの関与、人間性」だ。「現代の素晴らしいブランド」になるためには、こうした人的要因に注意を向ける必要がある。

Takeoffer moda 販売代行エージェントのコメント

この記事を見ていて感じることはファッション業界はその名前と雰囲気とは裏腹に最も遅れている業界であるということです。記事内にもありますが本来ファッションのような創造的ものを扱う企業には、デザインやマーケティング、小売、そして何よりもそれをお客様に届ける人材を管理する人事等の社内間の部門、あるいは我々のような販売代行会社や人材紹介会社等の社外との交流が不可欠です。しかしながらブランドは優れたデザインに勝る要素は無いと決めつけてきた傾向があるように思えます。そのため業界歴が長い人材程盲目化している傾向があるでしょう。今回のラルフローレンの新CEOは消費財ではあるものの業界最大手のP&Gからですし、消費財は高級消費財よりも全てのお客様を対象とする精緻な調整力が求められています。単純に言ってしまえば頭を下げることに慣れている視点は多くのものをもたらすのではないでしょうか。そしてその障壁はブランドサイドのプライドでしょう。最後に人的要因が重要と書いてあるようにこれまでの業界がともすれば軽視してきたHRこそこれからの業界の浮沈を握るカギになるでしょう。お客様に直接的に関わる販売員が最後までAIに取って代わることが出来ない(代えることが出来ない)のもっ高級消費財の分野でしょう。

Takeofferはこのような事実に目を向け、全ての代行会社の後発企業としてこれまでの代行会社が持ちえなかった部分を補う存在として、確実に未来に残れる確かなサービスを提供することでクライアント企業そして販売員の皆様をサポートして参ります。地方アウトレットや百貨店への出店をご検討されていらっしゃる、現在の販売代行会社にお困りまたは一度他の代行会社とも比較検討してみたいという際には是非一度ご相談下さいませ。

● Auther
Takeoffer 販売代行エージェント

Takeoffer 販売代行エージェント

ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。 その後独立しファッション業界専門の販売代行、有料職業紹介事業を中心に提供。

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