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【コラム】販売のスペシャリストは目指しません

販売代行を検討中のクライアント企業様、そして現在販売代行にてご出店中で人材に関してご不安をお抱えのクライアント企業様へ。

労働力の減少が大きな社会問題となる中、小売業はその方針を見直すタイミングに差し掛かってきています。特にアルバイトの力を多く必要とする飲食店や量販系のビジネスに関しては採用では無く、営業時間の短縮や効率化を進めるシステム導入といった、母集団形成を諦めてその形態を変化させる選択を取ることが生き残りの一歩であるという認識を行うところも多くなってきているようです。販売代行会社はその中で何を求められるのでしょうか。これまでの販売代行会社は「販売のスペシャリスト」を多く抱えていることが強みとされてきました。しかしながらこれからの時代においてはそんなことは当たり前であるために同業界でしか比較対象を作ってこなかったこれまでの感覚を捨て、時代に取り残されないようなサービスをお客様に提供することが必要であるということを説明していきたいと思います。前回の【コラム】問われるブランドの決断も併せてお目通し頂けると幸いです。

ポイント1 業界を俯瞰で見ること

これまでの販売代行会社やサービスは所謂"現場出身(販売員)"の人材がその環境や評価に不満を持って独立するというケースがほとんどでした。そのため当然に「販売の出来る(販売力のある)人材」を抱えているかどうかを評価基準とすることでお客様からの依頼を受けることを狙いとしていました。もちろん今もクライアントであるブランドのお客様は「販売力のある人材=売れる人材」を安定供給してくれることを第一に望むわけですが、「販売力のある人材」の求められているスキルは当時と現在では明らかにレベルに差異が出来てきたことを理解することが出来るかどうかが重要となります。つまりこれまでの代行会社が良しとしてきた「販売力のある人材」レベルは、今現在では「販売力のある人材=優秀な人材」と必ずしも言えず、特に店長が一番売上を作っているような所謂OLDタイプの店舗運営しか出来ないノウハウでは時代の流れ(厳しい目を持つようになってきた消費者)についていくことは出来ないのです。これから販売代行会社が提供するべき人材は「販売のスペシャリスト」ではなく、ヒト・モノ・カネを深く理解し、その行うべきミッションに関して徹底した思考の深化による結果主義で勝負出来る「ビジネスパーソン」であることが重要なのです。「販売」はそのミッションの一部に過ぎず、当然に結果を追い求めることは言うまでもないことなのです。そのためには時代の流れを読む、つまり来るべき労働力減少の先のAI化等の超効率化時代の中で「人が行うべき仕事とは何か?」を意識した働き方を進めていけばこの違いに気付けますし、他の業界との比較をした中で如何にこの業界がガラパゴス状態であるかは理解出来るのです。

ポイント2 お客様の立場になり続けること

では上記のような俯瞰の視点を得るためのポイントは何なのでしょうか。それには明快なひとつの回答が存在します。それは「お客様の立場になること」に尽きます。簡単なようで難しいことですが、販売員をやっている人は知らずのうちに販売員になってしまい「売ること」では無く「売りつけること」をしていることに気付きません。弊社が販売代行の切替時に行う研修で良くあるケースで、"自分でやっている接客を自分がお客さんだったら買う?"と質問した際に「自分は嫌です。でも売るためには仕方ない」と回答する販売員がとても多いことに気付かされます。「自分がお客様だったら嫌な接客」、そのようなものはこの世に存在してはいけないのです。しかしバブル時代に何をしても売れていた販売員が勘違いをしたまま偉くなり、それを店長として下に教え続けた結果このような「考えない文化」が定着してしまいました。そして販売代行会社には販売員が立ち上げた会社がとても多いため、それをそのまま踏襲している企業がとても多いのです。百歩譲って今その代行会社の運営する店舗が売れていたとしましょう。もしそうであればその店舗は素晴らしいトラフィックを作る百貨店やアウトレットモール、そして素晴らしい商品を提供するブランドのお陰で一定数のチャンスを確保しているわけですから、「お客様のための接客」が定着すれば更に売り上げは伸ばせるのです。まずは「素晴らしいおもてなし」を目指すのではなく、「お客様にとって嫌がられない接客を」目指す。地に足付けた、しかし大いなる改革がこの業界には必要であることを経営者と現場の両方がしっかりと認識する必要があるのです。

株式会社Takeofferでは業界最後発の販売代行企業として、そして人材コンサルティング企業として各ブランドのお客様にとって最先端の発想から未来を見据えた適切なサポートを行えることを強みにしております。今後来るべき未来に向けた代行会社の在り方やサービスに関して日々考察を深めており、確実に勝利に貢献出来る存在となるべく歩を進めて参ります。これまでの「経営・法令順守偏」に続きました 「販売ノウハウ偏」「代行における従業員のキャリアパス偏」「契約条件偏」「研修制度編」も併せてご参照下さいませ。

クライアント企業様には安心の依頼を、そして従業員には満足な就業を頂ける環境をTakeofferは用意しております。

販売代行でご出店をご検討もしくは出店中でお悩みをお抱えのクライアント様は是非お問合せ下さい。

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Takeoffer 販売代行エージェント

Takeoffer 販売代行エージェント

ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。 その後独立しファッション業界専門の販売代行、有料職業紹介事業を中心に提供。

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