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【TKO通信】~アルバイトやパートにも社会保険加入義務があります~

販売代行を検討中のクライアント企業様、そして現在販売代行にてご出店中で人材に関してご不安をお抱えのクライアント企業様へ。

販売代行企業の選び方は売上と同時にブランドや企業が地元に根付くかどうかを左右するため非常に重要です。

お陰様で毎回大変な好評を頂戴しておりますTKO通信ですが、前回【TKO通信】~令和3年の派遣法改正について解説します~では、人事の皆さまから多くの反響がありました。派遣利用が少なくなっている状況ですが、弊社は一貫性を持ち、販売代行企業では無く、人材総合コンサルティング企業としてクライアント企業様の人材問題を総合的にサポートするだけでは無く、社内教育においては販売テクニックのような業界特有のものでは無く、ビジネスパーソンとしての考え方やキャリア形成に重きを置き、その結果として結果の出せる販売スタッフになっているという取り組みを続けております。今回は販売代行会社には未だにある、社会保険の加入義務についての話を【TKO通信】としてご紹介させて頂きます。Takeofferではお客様の具体的なお悩みにお答えし、その期待に応え、更には付加価値を創造する提案が出来るよう努めてまいります。※法的に具体的な助言が必要な場合は弁護士にすることをお勧めします

これまでの「経営・法令順守偏」に続きました 「販売ノウハウ偏」「代行における従業員のキャリアパス偏」「契約条件偏」、「研修制度編」、「インバウンド特別篇」TKO通信バックナンバーと併せて是非販売代行会社の選択にご参考下さいませ。

販売代行会社で未だに多い社会保険未加入

新型コロナウイルス感染症の影響という、不健康な理由で多少緩和されているとはいえ、どの企業においても人手不足問題が深刻な現在、アルバイトやパートが会社にとって非常に貴重な戦力となっています。また今後の働き方改革の一環で、Wワークは当然になったり、学生だけでなく、高齢者のパート活用などは企業対応が迫られる事案でしょう。しかし一方で、「アルバイトに保険は特に必要ない」と思っている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。販売代行会社や個人事業主で販売代行を行っている組織においても、当然社会保険未加入は違法であるという警鐘を鳴らし続けてきたTakeoffer社ですが、取り締まりや罰則が厳しくなった現在でもまだ社会保険未加入企業が散見されます。特に地方アウトレットをメインに展開しているような地元の代行会社にその傾向は顕著で、アルバイトやパートで社会保険に加入しているスタッフは限りなく0といった印象があります。今回は、アルバイトやパートにも社会保険加入義務があることをお知らせするとともに、必要な保険の種類や適用条件、加入手続きの手順についてご紹介します。「社会保険に入れる条件は何なのか?」「保険の手続きの方法が分からない」という経営者や担当者様、そして販売スタッフの方にもぜひ会社選びの参考にしていただけますと幸いです。

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社員やアルバイト・パート等人を雇用した際に必要な保険は5種類もあります!

まずそもそも前提として、よく社員、アルバイト、パートのような区分けをされますが、アルバイトとパートは法律上での区別はなく、どちらも法律上は「パートタイム労働者」に分類されます。 パートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が、同じ事業所に雇用されている正社員などと比べて短い労働者」のことを指しますが、逆言うと違いはそれだけです。従いまして、社員を雇用(大きく言うとアルバイト・パートの方も社員です)した際に必要となる保険は、労働保険(労災保険・雇用保険)と社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険)の5種類あります。

①労働保険

労働保険は、「労災保険」と「雇用保険」に分けられます。

●労災保険

労災保険は、従業員が仕事中または通勤中にケガや病気、障害や死亡した場合に必要な給付をおこなうための保険です。パートやアルバイトなどの雇用形態に関わらず、全員加入することが義務付けられている保険になります。販売代行においてはアウトレットや百貨店、ファッションビルにおいての仕事中や通勤途中に起きた出来事に起因したケガ・病気・障害、あるいは死亡した場合が対象となるでしょう。

●雇用保険

雇用保険は、従業員が失業した場合や育児や介護をおこなう場合、教育訓練を受ける場合などに必要な給付をおこなう保険です。一般的に失業保険と呼ばれているものは雇用保険の給付をさしています。

雇用保険は労災保険と異なり、次の2つの条件に該当した場合はパートやアルバイトなどの雇用形態や、会社や従業員からの希望の有無に関わらず加入する義務が生じます。
(1)31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。
・期間の定めがなく雇用される場合
・雇用期間が31日以上である場合
・雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合※1
※1当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。
(2)1週間の所定労働時間が20時間以上であること。

Q.  学生アルバイトは雇用保険に加入する義務があるのか?

原則として、昼間学生は雇用保険に加入する義務はありません。但し、「通信教育を受けている学生」「大学や高校の夜間学生」「定時制課程の学生」については、上記の2つの条件に該当すれば加入する義務が生じます。しかしながら、昼間学生であっても次の場合は加入する義務が生じますので注意が必要です。

・休学中の学生
・卒業見込み証明書を有する者で、卒業前から就職し卒業後も同じ会社に勤務予定の学生
・会社の命令や承認によって大学院等に在学する学生
・一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者で、会社で他の従業員と同様に勤務することができると認められる学生

学生アルバイトを雇用する販売代行会社の場合は以上の条件を確認することが重要です。

②社会保険

社会保険は、「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」に分けられます。原則として、全てセットで加入することが必要(介護保険は年齢によります)ですので、例えば「健康保険だけ加入したい」、「厚生年金は入らなくて良い」ということはできません。

●健康保険

健康保険は、従業員やその家族が病気やケガをした時、出産、死亡時などに、必要な医療給付や手当を支給する保険です。健康保険に加入することでもらえる健康保険証により、病院の窓口で払う金額は治療費の3割となります。

●介護保険

介護保険は市区町村が運営し、40歳以上に加入が義務づけられている公的な社会保険制度で、対象となる人に介護サービスを行います。 健保組合は、健保組合に加入している介護保険第2号被保険者にかかる介護保険料の徴収を代行しています。販売代行会社の社員に関しては、健康保険組合に加入している場合が多いでしょう。

●厚生年金保険

厚生年金とは、国が定めた公的年金制度のことを言います。原則として会社に勤めている会社員や公務員など、組織に雇用されている人が国民年金と合わせて加入するものです。パート勤務やアルバイトとして働く人でも、雇用期間や賃金月額、1週間の所定労働時間や1カ月の所定労働日数などの条件を満たしていると厚生年金に加入し、厚生年金適用事業所に勤務するすべての従業員が、国籍、性別、賃金の額にかかわらず厚生年金に加入します。原則、会社に入社した時点から、70歳まで加入でき、70歳以上の人は健康保険のみの加入になるのです。70歳になる誕生日の前日に被保険者資格を失います。しかし、厚生年金保険の被保険者期間があるなどの条件を満たせば、70歳以上被用者という特別枠で働き続けることができるのです。これは70歳以上の経営者や役員なども該当します。

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アルバイト・パートが社会保険に加入するための条件とは?

社会保険はパートやアルバイトなど雇用形態に関わらず以下の条件に該当した場合、必ず加入する義務が生じます。

(1)会社が法人(株式会社や有限会社など)、または従業員数が5人以上の個人事業所(農林漁業や飲食店などのサービス業は除く)であること。つまり、「強制適用事業所」であること。
※但し、半数以上の従業員が社会保険の加入を希望し、会社が申請の上、厚生労働大臣の認可を受けた場合は、「強制適用事業所」でなくても社会保険に任意加入することができます。
(2)1週の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が同じ会社で同様の業務に従事している正社員の4分の3以上であること
(3)常時雇用していること

アルバイトの場合は繁忙期など一定期間で限定して雇用することも少なくないと思われます。以下の場合は常時雇用とみなされないため、社会保険に加入することができません。

(1)日雇いアルバイト(但し、1ヶ月を超えて引き続き雇用する場合は、その日から加入が必要となります。)
(2)2ヶ月以内の期間を定めて雇用するアルバイト(所定の期間を超えて引き続き雇用する場合は、その日から加入が必要となります。)
(3)所在地が一定しない事業所で雇用するアルバイト
(4)季節的業務(4ヶ月以内)で雇用するアルバイト(継続して4ヶ月を超える予定で雇用する場合は、当初から加入が必要となります。)
(5)臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)で雇用するアルバイト(継続して6ヶ月を超える予定で雇用する場合は、当初から加入が必要となります。)

Q.  常時501人以上の会社で雇用する時の社会保険の加入条件とは?

常時501人以上の会社(特定適用事業所)の場合は、アルバイトが正社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても次のすべての条件に該当したアルバイトの場合、社会保険に加入する義務が生じますので、注意が必要です。

(1)1週の所定労働時間が20時間以上であること
(2)1年以上の雇用期間が見込まれること
(3)月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)であること

但し、次の賃金は、賃金の金額に含まれませんので注意が必要です。

・臨時に支払う賃金および1ヶ月を超える期間ごとに支払う賃金(結婚手当や賞与など)
・時間外労働、休日労働、深夜労働に対して支払う賃金(残業代)
・最低賃金法で算入しないことを定める賃金(通勤手当、皆勤手当、家族手当など)

(4)学生でないこと
高等学校、大学、専修学校、各種学校等(修業年限1年以上の課程に限る)の生徒または学生でないこと

但し、次に該当する学生は、(1)~(3)に該当する場合は社会保険に加入する必要があります。
・「通信教育を受けている学生」「大学や高校の夜間学生」「定時制課程の学生」
・休学中の学生
・卒業見込み証明書を有する者で、卒業前から就職し卒業後も同じ会社に勤務予定の学生

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結局アルバイト・パートも社会保険に加入させるのか?

社会保険の加入手続き等の負担を考えると、「アルバイトに社会保険加入させたくない」というのが企業側の本音かと思います。また、アルバイト側からしても、社会保険に加入することで手取り金額が少なくなるため、「できるのであれば加入したくない」というのが本音です。これまでの販売代行会社はそれを上手く利用して社会保険未加入という違法行為を行い続けており、現在においてもそれはまだ全て是正されていないのが現状です。しかしながら法律で定められている以上、要件を満たせば加入義務が全ての対象企業にはあります。必ず加入させなければならない理由を今一度確認していきましょう。

理由①:社会保険の加入条件は法律で明記されており義務となっているため
定期的に日本年金機構が、社会保険に加入すべき従業員が加入しているかどうか調査をおこなっており、特に近年はその調査と罰則を厳しくしています。万一、加入していない事実が発覚した場合は、過去2年遡って保険料を請求される可能性があります。そして、遡るようなことになれば、社会保険料は会社と従業員が半分ずつ負担するものであり、また社会保険は従業員の年金額に反映するものであるため、会社のみならず従業員にも迷惑をかけることになります。金銭的なリスクはもちろんのこと、労務トラブルに発展することも十分に考えられますので、日頃からアルバイトの労働条件には注意しておくことが必要といえます。特に財務的に潤沢な資金を有していると言えない販売代行会社は、1店舗(3~4名)の発覚でも遡って納めるべき社会保険未加入分の料金は約300万(2年分)です。逆に言えばそれだけ支払いを免れているわけですから非常に悪質であると言えるでしょう。

理由②:社会保険に加入しなければ、良い人材を獲得できる可能性が低くなる
多くの企業で人手不足が問題視される現在、「長く勤めてくれる人材がほしい」と考える企業は多いのではないでしょうか。社会保険は法律で定められた福利厚生制度です。アルバイトで働く方も福利厚生がしっかりしている会社で働きたいと思うのは当然のことです。もちろん、扶養の範囲で働きたい方も少なくありませんが、加入基準を法律どおりに明確に区分することで、「長く働けるようになったら社会保険に加入できる」という安心感をアルバイト・パートに与えることにもつながります。

以上の点からも、福利厚生をしっかり整備している会社には、自然と良い人材が集まると考えられます。法的義務を果たすことと、企業の未来のためにも販売代行会社において社会保険加入は重要です。また地方のアウトレットなどで働く販売代行会社の販売スタッフに関してもこのような知識を持っていないと自分を守れないでしょう。

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社会保険への加入手続き!まずは何からすべき?

アルバイト・パートが社会保険の加入条件に該当した場合は、会社はどのように加入手続きをおこなえばよいのでしょうか。それでは手順を説明していきます。

手順①「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を事実発生から5日以内に会社の所在地を管轄する年金事務所へ提出します。

健康保険、介護保険、厚生年金の加入手続きは、資格取得届1つで同時におこなうことができます。但し、会社が健康保険組合に加入している場合は、組合上の手続きも必要となります。原則として添付書類は必要ありませんが、会社が特に注意すべき点は、加入者のマイナンバーと本人確認を徹底することです。本人確認がおこなえない場合は健康保険証を発行してもらえないため、必ず運転免許証などによって本人確認をおこなっておくことが必要です。特に近年利用企業の増えている電子申請では期限を1日でも過ぎると受理されない(一度返戻される)ので、期限厳守で準備を行っておくことが重要です。

手順②「雇用保険被保険者資格取得届」を会社の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に、採用月の翌月 10 日までに提出します。

雇用保険被保険者資格取得届には1週の所定労働時間や雇用契約期間の定めの有無などを記入する箇所がありますので、雇用時に労働条件通知書などでしっかりと確認しておくことが必要です。また、前職のある方の場合は、前職時の雇用保険被保険者番号を確認しておきましょう。番号が分からない場合は、前職の会社名などからハローワークに検索してもらうことができます。なお、雇用保険取得の際にもマイナンバーが必要ですので注意してください。※マイナンバーの提出を拒否することは可能です

手順③ 労災保険はアルバイトごとの加入手続きは必要ありません。

労災保険は、従業員を雇用した際、事業所単位で「保険関係成立届」を会社の所在地を管轄する労働基準監督署に「概算保険料申告書」と合わせて提出することで、すべての従業員が労災保険に加入することになります。保険関係成立後は1年度に1回申告・納付手続きをおこなうことが必要となります。会社が注意しなければならない点は、例え1日しか勤務していないアルバイトであっても、仕事中や通勤途中にケガなどが起きた場合は労災保険の給付手続きが必要となる点です。労災隠しは厳しく罰せられることにもなりますので十分注意してください

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ーお知らせ(現在の予約状況:北海道・沖縄地区の人材登録が増えています!!)ー

北海道、沖縄エリアに特化していた弊社ですが関西地区、四国、中国地方、北陸地方、名古屋地区、東京、さいたま、千葉での販売代行運営を開始予定で、今後は全国どこでもTakeofferクオリティでの運営が可能になりました。またお陰様で現在大変多くの人材登録を頂き、またクライアント様よりご依頼を頂いております。しかしながら弊社では双方にとってリスクの多いことから、無理受けすることを致しておりませんが、現在、強みを持っている北海道地区(レラ・MOP北広島・札幌市内の百貨店)で店舗が増え、沖縄地区でも県内最大商業施設である(サンエー浦添西海岸PARCO CITY)へ出店を成功させています。現在、北海道および沖縄地区では常駐の担当がおり、スケールメリット確保による運営の受注が出来るケースが増えると共に、登録人材が一気に増えておりますので一度お気軽に担当までご相談下されば幸いです。また、株式会社Takeofferはアパレル・ファッション業界専門の人事コンサルティング以外にも公認会計士・税理士等財務のスペシャリストがおりますので、運営条件を根拠のある数字で明解にご提案しております。

今回の【TKO通信】は弊社が創業以来一貫して警鐘を鳴らしている「販売代行会社の社会保険未加入問題」についてお伝え致しました。このようにクライアント企業様には安心してご依頼頂くことが出来る、そして従業員の皆様には安心して就業出来る環境をTakeofferは用意しております。これからも少しずつお客様から頂戴しておりますお問合せや現地からの情報をご紹介させて頂きます。これからの少子高齢化に伴う主要人材確保が困難になる時代の中で確かに貢献すべくTakeofferは常に進んでまいります。地方アウトレットモールや百貨店・ファッションビル、オフプライスストアへの販売代行でご出店をご検討もしくは出店中でお悩みをお抱えのクライアント様は是非お気軽にご相談下さいませ。

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ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。その後独立しファッション業界専門の販売代行・労働者派遣事業・有料職業紹介事業を中心に提供中。業界を整えることをミッションとしています。

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