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【TKO通信】~知らなきゃ危険!横柄なクライアントにNOを!~

販売代行を検討中のクライアント企業様、そして現在販売代行にてご出店中で人材に関してご不安をお抱えのクライアント企業様へ。

販売代行企業の選び方は売上と同時にブランドや企業が地元に根付くかどうかを左右するため非常に重要です。

お陰様で毎回大変な好評を頂戴しておりますTKO通信ですが、前回【TKO通信】~百貨店アパレル終わりの始まり~では自社スタッフからも周りの友達がこのあおりを受けて退職したなど身近に起きている現実を感じることが出来ました。弊社は一貫性を持ち、販売代行企業では無く、人材総合コンサルティング企業としてクライアント企業様の人材問題を総合的にサポートしてまいります。今回は同業者からも相談が多い、親事業者の横柄な要求に対する方法として下請法を取り上げて【TKO通信】としてご紹介させて頂きます。Takeofferではお客様の具体的なお悩みにお答えし、その期待に応え、更には付加価値を創造する提案が出来るよう努めてまいります。

これまでの「経営・法令順守偏」に続きました 「販売ノウハウ偏」「代行における従業員のキャリアパス偏」「契約条件偏」、「研修制度編」、「インバウンド特別篇」TKO通信バックナンバーと併せて是非販売代行会社の選択にご参考下さいませ。

代行会社を守るための下請法

どこの業界にもいると思いますが、理不尽なことを要求してくるクライアントというものは残念ながら存在します。社内で同じことをやったら直ちにパワハラ認定されて訴えられてしまいそうな行為を下請事業者に対しては平気でやってくるようなクライアントや担当もいるのが事実でしょう。ファッション・アパレル業界に関しては全業界から見た時に「どちら様ですか?」という認知度にも関わらず、大企業病とも言えるこういう状況が平然とあるようです。人としてのマナーや礼儀を知らないというモラルの分野から今回取り上げる法令の分野まで、最悪のパワハラ担当やクライアントにあたってしまって理不尽な目にあっている代行会社や担当は大勢いると思います。どんなに理不尽なことを言われたとしても、相手が「クライアント」となるとどうしても言いなりになってしまいがちです。たとえ理不尽だとしても要求を拒否して取引停止されたり、料金を払ってもらえなくなったりという事態は怖いでしょう。しかし自社をブラックな環境にしないためにはこのような理不尽なクライアントとの取引は排除していかないといけません。そのための切札となる法令の一つとも言える"下請法"を今回は取り上げたいと思います。

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下請法とは何なのか?

下請法とは一言で言うと下請事業者の利益を守るための法律です。発注企業と受注企業にはその関係性や規模の差から様々な不公平が生じてしまう可能性があるため、それを禁止して下請け企業を保護するための法令です。簡単に言うと大きな企業と小さな企業が取引する場合に下請法は適用されることが多いと言えるでしょう。こちらがその関係性を示す図になります。

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※公正取引委員会のウェブサイトより引用
親事業者と下請事業者の資本金の規模によって下請法が適用されるかどうかは異なりますが、簡単に言うと「大きな企業と小さな企業が取引する場合に適用」です。また親事業者となる企業にはいくつかの義務と禁止事項が定義されています。

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代行会社の担当者であれば上記の禁止事項が日常運営において該当すると心当たりがある方も少なくないかもしれません。この中からいくつか販売代行でよくありがちな内容をピックアップして見ていくことにしましょう。

不当な経済上の利益提供の要請の禁止(第4条第2項第3号)

親事業者が、下請事業者に対して、自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
これは禁止事項で最も多く勧告の対象となる減額については、下請法違反行為であるということが周知されたため、減額を要求する親事業者は少なくなったようですが、ポイントはこの「不当な経済上の利益の提供要請」となります。販売代行の現場での事例を取り上げると、販売代行は店舗におけるクライアントブランドの商品を善管注意義務を持って販売する販売員を配置することが契約上の義務になり、その対価として手数料を請求しています。この「不当な経済上の利益の提供要請」とは、それ以上に費用負担を要求することを指し、例えば「契約人員以上の配置要求」や「スキルアップのための出張要求(交通費負担)」、「店舗で利用する経費負担要求」などが該当するでしょう。これはクライアントによってハッキリわかれるところですが、要求してくるところも未だ多いので、明確な禁止事項であると突っぱねることが重要です。

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不当な給付内容の変更、やり直しの禁止(第4条第2項第4号)

親事業者が下請事業者に責任がないのに、発注の取消若しくは発注内容の変更を行い又は受領後にやり直しをさせて、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
これは前述したように、販売代行は店舗におけるクライアントブランドの商品を善管注意義務を持って販売する販売員を配置することであることに対し、最初に運営において決めていた内容に追加して業務を増やしてくることが該当するでしょう。例えば、「レポートの過大提出要求」「時間外勤務の強制」等でしょうか。この場合は、明確な給付内容の変更に該当しますので、依頼する場合には「追加料金」を支払う等の必要があるでしょう。簡単に言うと、決めたことに対してあとから勝手に付け足してくる、事実として依頼業務が増えてくるような状況を示します。このような場合は下請法の禁止事項に該当するでしょう。

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報復措置の禁止(第4条第1項第7号)

親事業者が、下請事業者が親事業者の下請法違反行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由として、その下請事業者に対して取引数量を減じたり、取引を停止したり、その他不利益な取扱いをしてはならない。
これが実質的には一番多く、影響があるのでは無いでしょうか。上記のような状況を改善すべくクライアントブランドへ通知するなどした際に、取引自体が無くなることは禁止されています。ただ実際にはそれを立証するのは難しいと考えられるので、具体的に立証が可能な前述の禁止事項が最も多く適用されているようです。とはいえ、噂話が好きな業界柄ですからこのような報復措置をしていることの証拠を保全された場合は対象となることが多いにあるでしょう。

公正取引委員会は結構見ています

公正取引委員会は下請法の適用には力を入れており、弊社を含む販売代行会社のような下請事業者には定期的に調査のための書類が送られてきます。そこで消費税の転嫁と同様に、親事業者が下請法違反をしていないかをしっかり調査されています。その書類には下請法の事例集のようなものが非常にわかりやすく記載されており、自社がそこに適用されるか否かをどの担当が見ても理解できるような内容になっています。行政はどの会社とどの会社が取り引きをしているのかを調べることは簡単ですから、具体的に親事業者(クライアントブランド)の社名が入った書類が送られてきて「この事業者は下請法に違反していたことはないか」という調査がなされます。代行会社を利用している企業には東証一部上場企業のような厳しい目線にさらされている企業も多く、公正取引委員会としてはしっかりと調査し、下請け事業を保護することが可能でしょう。親事業者(クライアントブランド)の担当者の方は本法令を甘く見ているとそのうち強烈なカウンターを食う可能性が高いでしょう。またネット全盛のこの時代にそういった印象がつくと一気に炎上してビジネスが終わってします可能性もあります。特にファッション・アパレル業界であれば消費者の目線は常に弱者救済になりがちですので、重要なポイントと言えるでしょう。また下請法は発注側も受注側も知らなかったでは済まされない重要な法律です。このように販売代行企業も知らないで違法行為を受け続けていることがこのような法令を作るきっかけになったことは言うまでもありません。会社として下請法の対象取り引きで窓口となる従業員には下請法の研修を徹底した方が良いかもしれませんね。いずれにせよ横柄な取引には断固として向かい合うことが必要でしょう、時代は変わりました。

ーお知らせ(現在の予約状況:北海道・沖縄地区を拡大しています!!)ー

北海道、沖縄エリアに特化していた弊社ですが四国、中国地方、北陸地方、名古屋地区、東京都内での販売代行運営を開始、今後は全国どこでもTakeofferクオリティでの運営が可能になりました。またお陰様で現在大変多くのクライアント様よりご依頼を頂いております。しかしながら弊社では双方にとってリスクの多いことから、無理受けすることを致しておりませんが、現在、強みを持っている北海道地区(レラ・MOP北広島・札幌市内の百貨店)で店舗が増え、沖縄地区でも県内最大商業施設である(サンエー浦添西海岸PARCO CITY)へ出店を成功させています。現在北海道および沖縄地区では常駐の担当がおり、スケールメリット確保による運営の受注が出来るケースが増えますので一度お気軽に担当までご相談下されば幸いです。
株式会社Takeofferはアパレルコンサルティング以外にも公認会計士・税理士等財務のスペシャリストがおりますので運営条件を根拠のある数字で明解にご提案しております。
今回の【TKO通信】は同業者からの相談も多いため下請事業者を守るための法令というテーマでお伝え致しました。このようにクライアント企業様には安心してご依頼頂くことが出来る、そして従業員の皆様には安心して就業出来る環境をTakeofferは用意しております。これからも少しずつお客様から頂戴しておりますお問合せや現地からの情報をご紹介させて頂きます。これからの少子高齢化に伴う主要人材確保が困難になる時代の中で確かに貢献すべくTakeofferは常に進んでまいります。
アウトレットモールや百貨店への販売代行でご出店をご検討もしくは出店中でお悩みをお抱えのクライアント様は是非お気軽にご相談下さいませ。

● Auther
Takeoffer 販売代行エージェント

Takeoffer 販売代行エージェント

ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。その後独立しファッション業界専門の販売代行・労働者派遣事業・有料職業紹介事業を中心に提供中。業界を整えることをミッションとしています。

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