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【TKO通信】~営業担当が知っておくべき知識とは?~

販売代行を検討中のクライアント企業様、そして現在販売代行にてご出店中で人材に関してご不安をお抱えのクライアント企業様へ。

販売代行企業の選び方は売上と同時にブランドや企業が地元に根付くかどうかを左右するため非常に重要です。

お陰様で毎回大変な好評を頂戴しておりますTKO通信ですが、前回【TKO通信】~迫りくる2018年問題~はクライアントの皆様より派遣社員と自社の契約社員の処遇に関してどのように対処すべきなのかといった反響を多く頂きました。期限の決まっている課題に関しては早目の対策で少しでも正しい形に整えていくことに寄与出来ていると考え、これからも生の情報をお伝えしてまいります。今回は本社経営陣からのアパレル・ファッション業界にいると気付かないポイントにかかるレポートをダイレクトにお客様に【TKO通信】としてご紹介させて頂きます。Takeofferではお客様の具体的なお悩みにお答えし、その期待に応え、更には付加価値を創造する提案が出来るよう努めてまいります。

これまでの「経営・法令順守偏」に続きました 「販売ノウハウ偏」「代行における従業員のキャリアパス偏」「契約条件偏」、「研修制度編」、「インバウンド特別篇」TKO通信バックナンバーと併せて是非販売代行会社の選択にご参考下さいませ。

-アパレルの営業は他業界とは違うことを知る‐

他業界から転職してきた筆者にとってはアパレル業界の営業が所謂生命保険や不動産等一般企業の営業とはその内容が全く異なることに驚きます。営業とは本来自社の商品を売り(売り歩き)、自社に利益をもたらす役割のことを営業呼ぶことが多いですが、アパレルではそれは販売員の仕事です。アパレルの営業職はある意味では裏方としてその販売員の方々が販売に集中出来るよう、テナントの出店交渉から時には現地での採用活動まで幅広い業務を求められ、さしづめ動くバックオフィスとも言える側面があるのではないでしょうか。その中ではアパレルの営業で他業界で営業をしていた転職者といった方は少なく、新卒で入るもしくは販売員からのキャリアパスの中で営業となる方が多いようです。販売から営業になる方は所謂"数字"売上をどう取るかに長けている方が多いかもしれませんが"動くバックオフィス"を求められる中では人事や法務、経理といった専門知識が必要な場面もしばしば出くわします。ここでその場面に出くわすたびに実際のバックオフィスのサポート受ける営業と、自らの引き出しの中に準備している営業とでは圧倒的な差が出てくることは言うまでもありません。それでは具体的にどのような知識が必要か項目ごとに見ていきましょう。

①知っておくべき知識~人事~

まず最も多く求められる知識が人事の知識になります。アパレルの営業は地方各地の百貨店やファッションビル、アウトレットモールに担当店舗を持っていますので、その採用にかかる面接を本社では無く現地で行うことがしばしばあります。私も人事採用担当のころ現地面接を営業に同席して行った際に法律で聞いてはいけないことを平気で聞いていることがあり大変驚いた記憶があります。場合によっては罰則規定が適用されることもあり、また面接をしているブランドの品格を問われてしまう恐れもありますので営業はしっかりとこの知識を覚えておくことが重要でしょう。

【面接で聞いてはいけないこと】
(本人の責任とは関係ないこと)
・出身地・資産・家族構成・親の職業・親の収入・血液型 等
(思想や信条にかかわること)
・宗教・人生観、生活信条・尊敬する人物に関する質問・思想に関する質問・労働組合、学生運動、社会運動関連・愛読書、雑誌、新聞などについて・支持政党 等
(セクシャルハラスメントの原因となるもの)
・スリーサイズ・結婚の予定・恋人がいるかどうか・出産したら会社を辞めるのかという質問・体重 等
このような事項は聞いてはいけないこととして厚生労働省からも注意喚起をされており、特に家族の職業、収入、本人の資産についての質問、スリーサイズや容姿に関する質問、社会運動に関する質問等収集してはいけない個人情報を収集してしまった場合、6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金のに処せられることもあるため注意が必要です。

②知っておくべき知識~法務~労働者派遣法改正(2015年)

こちらも人事に絡む法律知識となりますが、今回は「労働者派遣」と「販売代行」というテーマに絞りたいと思います。弊社の営業や現場の話を聞いているとクライアントが「労働者派遣」と「販売代行」に関して明確な差があると認識していないことに気付きます。まず大前提としてクライアント側からひとつの店舗において「労働者派遣」と「販売代行」の両サービスを併用することは法律上出来ません。従いましてどちらか一方のサービスを選択する必要があるのです。その決定的な差は「指揮命令者の有無」になります。本来「労働者派遣」はクライアント側に指揮命令者がいる(一般的には店長となるケースが多いでしょう)ので店長以外のスタッフは店長の指揮命令下に置かれることが当然ですので「販売代行=委託」にはなり得ません。また販売代行を利用しながら派遣スタッフも一緒に就業させている場合は指揮命令者が代行会社から指揮命令を受ける代行会社社員(店長)とクライアントから指揮命令を受ける派遣会社スタッフというひとつの店舗に二重の指揮命令関係が発生するため【偽装請負】という違法行為となります。偽装請負に関しては近年都道府県労働局が非常にその摘発に力を入れており、書類送検されるケースもしばしばあり、違反した場合は下記の罰則が適用されることが多いそうです。

労働者派遣法第59条2号 違反
- 無許可派遣事業として「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則の定めとなっています。

職業安定法第64条9号 違反
- 違法な労働者供給事業となり、受託側も注文者側も両者に対して「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則の定めがあります。

本罰則規定はクライアントおよび受注者(代行会社等)の双方に適用されるものですが、管理の行き届いていない代行会社では本件を指摘していないケースも実態では多く、発注者であるクライアント企業、特に窓口となる営業にも必要不可欠な知識であると言えるでしょう。

③知っておくべき知識~経理~

販売代行の契約の専門部分は経理や法務にお任せするけど窓口は常に営業、そんなクライアント企業は多いと思います。しかし、分からないまま窓口になっても事あるたびに部署に確認するのでは、ただでさえ多岐に渡る業務を課せられ忙しい営業の貴重な時間が勿体ないですよね。そんな営業さんのために条件交渉の参考となる前提条件を作る上での指標をお伝え致します。
(直営店から代行に切り替わる場合の財務視点からのメリット)
直営店から代行に切り替わる際に最も大きな要素は「コストダウン」だとお考えになる方も多いと思います。しかしそのコストダウンは本当にコスト計算が出来た上でのコストダウンなのでしょうか。切替によって浮くコストは給与等における「人件費」に代表される見えるコストと、その店舗の管理や採用、教育等の見えないコストに分ける必要があります。見えないコスト、厳密に言えば原価計算をすれば算出可能ですので見えにくいと言った方が良いかもしれないこのコストを考えると、この時点で現在直営で掛かっている人件費をそのまま代行の最低保証にしてもコストダウンになっていることが分かります。本来はこれでも十分にコストダウンなのですが、上司に承認を通すためのもうひとつの視点が今回のテーマです。
~運営費の課税仕入れ計上~
例えば、これまで月の人件費が108万円掛かっているという店舗をそのまま代行切替した場合、その108万円は人件費から外注費となります。すると人件費から外注費と変わるため、単純にコストが置き換わるだけで無く、外注費となったことで支払う必要がある消費税を自社の消費税支払い分から控除出来るようになります。つまり同一単価でスライドしただけでも「見えにくいコスト」の削減だけで無く、年間約100万近くのコストをカットしていることになるのです。そのためたった5店舗をスライド切替するだけで年間約500万のコストカット(実際は見えにくいコストもカットしているのでそれ以上)となり、相当なコストカット効果があることが分かります。
※上記はクライアントが簡易課税適用事業者(基準期間の課税売上高5,000万円以下)である場合を除きます。
このような知識を持っておくことで前提条件を理解して商談に望むことが迅速化を生み、自身の貴重な時間と会社への貢献を生むことに繋がります。

ーお知らせ(全国展開開始)ー

今まで北海道、沖縄エリアに特化していた弊社ですが
四国、中国地方、北陸地方、名古屋地区、東京都内での販売代行運営を開始、今後は全国どこでもTakeofferクオリティでの運営が可能になりました。
※お陰様で現在ご依頼を頂くことが多くなっておりますが、弊社では無理受けすることを致しておりません。現状は今期(2018年2末)の代行依頼がご予約でいっぱいとなっておりまして、場合によっては開始時期をご相談させて頂くこともございます。

株式会社Takeofferはアパレルコンサルティング以外にも公認会計士・税理士等財務のスペシャリストがおりますので運営にあたる経費を根拠のある数字でご提案しております。

今回の【TKO通信】は本社の人事の視点からお伝え致しました。
このようにクライアント企業様には安心してご依頼頂くことが出来る、そして従業員の皆様には安心して就業出来る環境をTakeofferは用意しております。
これからも少しずつお客様から頂戴しておりますお問合せや現地からの情報をご紹介させて頂きます。これからの少子高齢化に伴う主要人材確保が困難になる時代の中で確かに貢献すべくTakeofferは常に進んでまいります。

アウトレットモールや百貨店への販売代行でご出店をご検討もしくは出店中でお悩みをお抱えのクライアント様は是非お問合せ下さいませ。

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● Auther
Takeoffer 販売代行エージェント

Takeoffer 販売代行エージェント

ラグジュアリーブランドの人事として人事業務全般、主にリクルーティング責任者として従事。 その後独立しファッション業界専門の販売代行、有料職業紹介事業を中心に提供。

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